[読書]Running Lean ―実践リーンスタートアップ

実践的で具体的。分かりやすかった。

以前に『アントレプレナーの教科書』を読んで、"顧客開発"というアプローチを気には入ったものの、実践に移るには敷居の高さを感じていた。この本は、分かりやすい言葉でステップそれぞれに具体的な手段を示してくれていて、手引き書として利用価値が高いと思う。リーンスタートアップの背景や目的は別の本や情報を併用したほうがいいかもしれない。

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

Running Lean ―実践リーンスタートアップ (THE LEAN SERIES)

”顧客開発"を知ったのは、私が自社の事業リーダーをやっていたころだった。事業成績としてお尻に火がついた状態で、何とかして新しい事業を立ち上げなければならなかったが、いざ時間とコストをかけて人を動かすとなると躊躇していた。 計画と実施は私に責任があったが、コストは権限を持ってなかったのが実の理由かもしれない。

 先日、リーンキャンバスを書いてみるワークショップ(翻訳である角氏による)を体験する機会があったが、実際に書いてみると新しい気づきがあった。どういうものかは知っていたつもりだが、やってみると想像以上に頭の中の雲が晴れる感じだった。

 

無作為に手を付ければいいってものではないんだけど、この本を読みながら、製品や事業に明確なビジョンを持つことと、間違いのない企画を立てることとは別なんだと考えを改め直した。事業という大きな相手だと、思案するばかりでついつい何もせずに過ごしがちだが、怖いからこそ試して適応させるアプローチであるべきだろう。そのために、できるだけ軽量に始める必要があるんだと。

関連:アントレプレナーの教科書